うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月

一緒にいるときは口説いくらい好きだの愛してるだのと口にするくせにちょっとでも遠ざかるとすぐにこうして罵言を吐く。だから――あたしは信じられないんだ。愛とか恋とかが貴いものだとは思えないんだ。だけどどこかに本物があるんじゃないかと思っていた。この冷たい嘘月で、この救いようのないあたしを温めてくれる感情が。



思うに(愛とか恋とか)わかろうとしちゃいけないんじゃないかな。わからなくてもそこにあるんだから。わかろうとしたらとたんに嘘臭くなっちゃって、偽物になっちゃうんじゃないかな。解析しちゃうとつまんないよ。どうせろくなもんじゃないんだから。深く調べれば調べるほど世界っていうのは不細工になるんだよ。



この作品の根幹ともいえる部分はこの二つなんだと思います。
こういう話が好きな人にはお勧めしておきます。
まぁ私も結構好きなんですが(汗



ちなみにこの作者は知り合いの作者に「君の恋愛感は歪んでいるよ」といわれるそうです。
この作品に同調できる私もかなり歪んでいるんでしょうな(w