天使憑きの少女

−− 四章から成る 少女の『願い』と『奇跡』の物語 −−


物語は、四章仕立てのオムニバスストーリーとして進行する。
それぞれに共通するテーマは
各登場人物が抱く『願い』と、それに関係する『奇跡』。


人間の思い描く『願い』には様々あるが、
それがいかなるものであろうと、紛れもなく人間が求める『未来像』である。


−− その『願い』を、『奇跡』をもたらす者たちはどう捉えるのか? −−


物語の中には自らを『天使』と名乗る者が登場する。
『彼』…、もしくは『彼女』は
人間の抱く『願い』にどのような形で応えるのか。


嘲笑か、断罪か……


闇の中から響く鈴の音と
気高き神格を帯びた花の香りが


今、少女の前に降臨する――


コンプしました。
このゲームは奇跡と死生観のゲームです。
『奇跡』ときくと私はどうしてもKanonを思い出すわけですが、Kanonでは奇跡はおきますが、奇跡にたいする設定がしっかりしていませんし、あまり奇跡そのものについて正面から語られることはありません。*1このゲームは違います。
このゲームは奇跡というものについて設定を持って書いています。


このゲームでは奇跡を次のように設定しました。
奇跡には3種類あります。
①登場する天使が起こす『自然奇跡』(ただし奇跡の内容は薄い)
②人の生命力を使って起こす『代償奇跡』
③人の思いや願いを集めて起こす『集束奇跡』
Kanonは②にあたるのでしょうかね。
まぁそんな感じの設定を用意してくれて、面白そうだとおもっていたのですが…
コンプして


うーーーん(汗


悪くはないんですが、どうもこじんまりとまとまっている印象を受けました。それがやっていて非常にもどかしい。
これはストーリーが長い短いという意味ではなくて、小手先で上手にしようとしている印象を受けました。
感覚的なものなんですけど…うーん。でも少なくとも、設定負けしているという印象をうけました。
もうちょっと深くまで突っ込んでほしかったかなあ、と。
死生観についても……ねぇ?
もう少し書いてほしかったです。



…とまぁここまで欠点を挙げてきましたが。1章、3章、4章の構成については舌を巻きました。
この点は非常に評価できるかと。詳しいことはネタバレにて。
点数としては80点。
興味深い部分は多かったのですが、調理不足。そんな感じの作品かと。
あーーー、あと一つ。
Hシーンなくせっ
ほんっとにここまでおもったゲームはほかにないくらい、余計でした。
ほんっとに邪魔。
いらない、じゃなくて蛇足。
ほんとにその点は残念でした。


以下激バレ。


第一章


奇跡として拳銃をもらった少女…。なんか俗っぽい奇跡だなぁ、と思いつつやっていたのですが。
これは奇跡というのが『自然と』起こるものではない、ということを書くのに非常にいいやり方をしてくれたんだなぁ、と途中で気づきました。そういう意味でいい導入だったかと。
しっかりと第二章以降の伏線もはってくれていますし。


あとHシーンは邪魔だとおもった(汗
なんでいれるの?


第二章
全体からみるとおまけシナリオの感がいなめないなぁ…。
まぁいい橋渡しにはなっているし、設定も追加しているから、いらないとはいえないんだけど。
もう少し第三章のキャラたちと交流を描けていればそういうことはなかったんでしょうけどそれは難しかったのでしょうかね。
ストーリーの内容としては面白かったんですが、キャラ造詣がやや甘いせいで微妙に(汗


あとHシーンはやっぱり余計(汗
絶対Hシーンのとき性格かわってるって(汗>主人公



第三章&第四章
第三章を裏からみたのが第四章。こういう設定はよく在るかとおもうが、このゲームの場合かなり上手く言っていたかんじ。
マリアについての感じ方がほんとにかわっていたし、面白かったです。
このシナリオの姉のEDだけかなぁ…。Hシーンがあってもいいかなぁ、って思えたの(汗

*1:あゆによる奇跡だということはあゆシナリオ以外、あまり意識されることはない