俺妹についておもうこと。

まぁ簡単な前置き。飛ばしても可。


俺妹で何が一番好きだったかといえば、伏線の張り方、信頼できない語り手としての作品でした。
この作品は、1巻発売当初から付き合ってきた作品で、初めはキャラがいいな、と思いながら読んでいたのですが(初巻から麻奈実がお気に入り)いろいろな仕掛けが本当に好きでした。2巻で実際はあやせのことに気づいてたのに気付かないふりをしていたり(11巻P345より当時気付いていたことが明らか)3巻でさりげなく、桐乃が「3歳年上じゃないと、恋愛対象にならない」なんてことをいっていて恋愛対象として京介が入ってることを示唆させたり、5巻でもう告白されることなんてないんだろうな、と地の文でいっておきながら、8巻で黒猫に告白されて妙な伏線となっていたり。6巻で桐乃が1コールで電話をとった、というのの対応として、7巻で沙織が2コールでとることで桐乃のラブ度を簡単に書いたり。
これは本当に一部で、伏線とはいえないような地味なところで、さらりとなにか仕掛けるのが大好きでした。


で、最終巻。
素直に読めば、いきなり京介が恋愛的に、桐乃を好きになっていました。
・・・いやいやいや、それはおかしいだろ、とつっこみ。別に近親EDは否定しませんが、11巻までそんなそぶりなしで、それはないだろう、と。そういう描写がまったくなかったとはいえませんが*1、それでも不自然に映りました。
そして最終巻を読み進めているうちに、違和感。最終巻になって地の文で、いきなり叙述トリックだのいいだしたり、語り部がすべてを語る必要がないだのいいだしたり。
こんなことメタ的に言い出す作品だったっけ?と思い、いつも通り、なんか仕掛けがある?と思って、途中でひょっとして、京介が桐乃を恋愛的に好きではないのではないかという仮説がでてきて、
http://d.hatena.ne.jp/foolis/20130608/p1
このような解釈をしたわけです。で、今回もう少し解釈を広げてみました。
12巻よんだとき、黒猫が振られるとわかっていた理由がしっくりこなかったし、考察する必要はあると思いましたし。



さて、前置き終わり。

*1:8巻で体が密着している時の動揺