俺妹最終巻考察

初めにこちらを読んでおいてください。
http://d.hatena.ne.jp/foolis/20130608/p1


では以下、初めに時差系列について考察します。


・俺妹時差系列まとめ
10巻〜12巻、桐乃に告白するまでをまとめていきます。以下、確定事項を赤文字、推測を青文字でかいていきます。



10巻
・10月上旬から京介は一人暮らしをし、その一ヶ月後に試験があり、その後一ヶ月後に結果を受け取る。(P23〜P24他)
・結果を受け取ったのは京介の一人暮らしの部屋で、受け取った後、『昼間』に自宅のリビングにいる。(P328)

#よって、試験結果を受け取った日は学校休み。土曜日か日曜と考えるのが自然。ここでは土曜とする
・『数日間』で荷物を整理し、『次の休み』に自宅に荷物をもっていく(P333)
#『数日間』と書かれているので受け取ったのが土曜で、日曜に家に帰ったというのは考えづらく、1週間、間があいてる。つまり家に帰ったのは土曜日。
・部屋が空っぽにし掃除をした後、、あやせから告白される、試験の日の筧さやかのやりとり後、1ヶ月の間、京介はあやせとあわず、連絡もとらず(P344)、あやせは京介に連絡をとらずにいきなりきて(P339)あやせも連絡していない。
#筧さやかの顛末をこの時説明しているので、あやせからも連絡をまったくしていないと考えるのが自然。
#このやりとりが日曜日の可能性もあるが、土曜日とする。重要なのはこのやりとりが麻奈実との話し合いの前か後かなので、その辺は気にしないことにします。それに部屋を開けてから、1週間後に返すなんて、のんびりやったとも思えませんので麻奈実とのやりとりの前にこの出来事があったと考えるのが自然です。



11巻
・12月上旬、週末の午前中より麻奈実と話し合い(P12)
#京介が部屋を出て行った日=麻奈実と話しあいをした日というのも不可能ではないが、スケジュール的にきつすぎる。『午前中』と地の文でいっているのがきつい。
・その次の日、櫻井秋美と再会。地の文で『今度こそ、自分から告白すると決めたんだ』(P277〜P290)
以下エピローグにて。
・試験結果の出る前に、加奈子と麻奈実の話し合い
・試験結果の出る前に、桐乃が黒猫と沙織にまた海外にいくことをつげる。
・桐乃が海外にいくことを黒猫らにつげた次の日、あやせと黒猫と桐乃の会話
・桐乃は卒業までまって、というが、黒猫らはそれを拒否。桐乃はエロゲよりすっごいことしてやる宣言。
・桐乃に逃げずに決着をつけてほしいとあやせがいう
・あやせはお姉さんとは違うやり方で決着をつける宣言。



12巻
・12月のある日、櫻井秋実のことが片付いて数日後、京介は桐乃をクリスマスデートに誘う。デートの予定は12月24日朝9時から。(P12)
・12月25日は学校に行く日。(P268)
・12月、あやせをふる。このとき地の文で『今度こそ、自分から告白すると決めたんだ』はない。尚、10巻P347と12巻P76、および12巻P126の間の会話文は続いている(会話のカットはない)(第2章)
・12月20日黒猫をふる。この時黒猫は、外でまっていた。告白の際、地の文で『今度こそ、自分から告白すると決めたんだ』がある。尚この時、黒猫は京介がくること、および、振られるのをわかっていた(P177、P187)
・12月24日、桐乃が海外にいってしまうことことを京介は知っていて、あやせから聞いたか、という桐乃の質問に否定せず(p71)

嘘をつく必要もないと思いますし、あやせからそのことを聞いてなくて、他人から聞いた場合、素直に言うでしょうし、あやせから聞いたとします。
・桐乃は京介から告白されなかったら自分から告白していた(P241〜P242)


以上確定事項。
アニメ2期7話でカレンダーが出ており、このカレンダーが2012年のものであり、また、2012年は、12月24日が休みで25日が学校なのでこれは12巻の条件に合致しているので、2012年とし、日付を決定していく。
#尚アニメで出てきたカレンダーで、8月15日に黒猫から告白されたことになっているが、8月17日に御鏡の騒動があったことはナレーション(および原作)で確定しているので、矛盾がこの時点であるが気にしないものとする(苦笑


以上より、
10月     一人暮らしはじめ
11月     試験
試験〜試験結果受け取りの間
・桐乃、海外に行くことを決意したことを沙織と黒猫に話す。
・京介とあやせは連絡をとりあわず
・黒猫とあやせが桐乃に宣戦布告
12月1日(土)   試験結果受け取り
12月8日(土)   引越&あやせからの告白
12月15日(土)  麻奈実との話し合い
12月16日(日)  櫻井秋美との再会
12月20日(木)  黒猫をふる
12月24日(月&祝)デートおよび告白
12月25日(火)  デート続き


以上が確定。



以降Q&A方式により仮定を進める。


・あやせはいつ、京介に桐乃のことをつげたのか
桐乃が海外にいくと黒猫にいったのは、11月の間。10月中に桐乃がそのことを決定し、あやせにだけ10月にいっていたとは考えづらいので、11月の間にあやせはいわれたと思われます。
あやせだけ先に言われたということがありうるとしたら、10月中に決意し、試験の直前にいわれたのではないでしょうか。しかし試験前にそんなことをあやせが京介にいうとは思えない。
#試験前にいわれると動揺することは予想がつくはずなので。
しかし11月中、京介とあやせは連絡を取っていないので、京介にいったのは、間違いなく12月8日以降です。
しかしそのシーンを原作に入れられるのは、叙述トリックの余地がないので(苦笑、P132のあやせのやりとりのあと。つまりP132以降、あやせと京介は会話もしくはメールや電話をしている。
追記:試験の前にいわれたとして、試験の直後にいったともかんがえずらいです。試験後は桐乃と即病院に行ってそこにあやせが行くとも思えないので。


・なぜ、黒猫は12月20日に京介がくるのをわかっていたか。
京介と通じ合っていたから、という理論を私は認めません(苦笑
あのとき自分に会いに来るという確信に近いものがあったと思われます。
妥当な線として、桐乃にSNSでいわれたのだと思われます。つまり京介が桐乃をクリスマスデートにさそったのが12月20日だったのではないかと。日付的にも無理ないし。
で、桐乃をデートにさそったら自分のところにくると思った。(詳しくは後述)



・桐乃は何を予定していたか?
京介にクリスマスデートに誘われた後は、クリスマスに告白し、運がよかったら、恋人みたいになるという予定をたてていました。黒猫にいろいろ言われる前も、いつか告白する予定だったと思われます。
はっきりしているのは海外にいこうとしたことです。海外に行く動機は、京介と簡単に会えない環境に身をおくことで自分をふっきるためだと思われます。(P337)そのことを京介と離れた1月の間に決意したのではないかと。
ひょっとしたらキスシスのりんこりんシナリオみたいに最後に告白する予定だったのかも。(あのシナリオでは最後に二人が離れる前にHしているけど)


・そもそもなぜ、桐乃は京介があやせから海外いきのことを聞いたとおもったのか。
おそらくあやせが振られたことを桐乃に伝えたのだと思います。そのとき、ぼんやりと「桐乃の海外いきを伝えた」ことをいったのではないかと。
#このことに桐乃としても不自然はありません。京介は黒猫とつきあっていましたし。



・なぜ黒猫は振られると思ったのか。
京介と黒猫はつきあっていないので(11巻までの状況では)クリスマスに桐乃をデートに誘う=黒猫が振られるではない。
そもそも桐乃と京介がHしていても別にかまわない黒猫がクリスマスデートに誘ったくらいで振られるとはおもわないはずです。*1
で、こう仮定します。
桐乃が外国に行くこと、そして、桐乃が恋愛的に京介を好きなのを、あやせから京介に説明された。(黒猫との話し合いで、あやせの告白の是非にかかわらず、告白時に「桐乃が京介を好きなこと」をいうことを決めていた.あやせが11巻でいっていたお姉さんとは違うやり方、というのはこういうことではないかと。そしてこのことがあやせが黒猫より先に告白する際の条件だったのではないかと)*2
さて、京介は選択をせまられました。桐乃から告白されれば、桐乃外国EDです。きっと桐乃は外国に行くでしょう。兄との思い出だけを大事にして。桐乃が告白した時、京介は気持ち悪い、と思ったかもしれないという疑念を抱えたまま。
さて、京介が告白すれば桐乃が外国に行かない公算が高いです(実際そうなったし)。
桐乃に外国に行ってほしくない京介。だけどそのためには桐乃を恋愛的に受け入れる必要がある。さてどうするか。
私はどうしても、京介が桐乃のことを恋愛的に好きだと思ってたと思えないので、あくまで桐乃を救うため、桐乃に告白する道を選んだんだと思います。
で、京介は「桐乃が、恋愛的に京介を好きだと知った上で」クリスマスに誘ったから、黒猫は振られることを覚悟したのではないかと。*3
桐乃をクリスマスに誘ったら、すぐに自分(黒猫のこと)のところに来てくれると信頼もしていたのでしょう。
これだと、(時間軸的に)あやせからの告白以降の告白の地の文に、「今度こそ、自分から告白しようと決めたのだ」があり、あやせのときにだけないことが説明が付きます。
・・・私はこのような解をだしましたが、「なぜ黒猫は振られると思ったのか」ということに関する解は、みんなの意見聞きたいな、と思う今日このごろ。
話は変わりますが、黒猫から桐乃が京介を恋愛的に好きなことを聞いたとは思えないんだよなぁ。はっきりした根拠はないですが。


考察明日に続く。

(おまけ)
・麻奈実はなぜ、あのときに告白したのか。
全員がふられたのに、自分だけ逃げるのは卑怯だと思ったから、と以前書きましたが。
もし、桐乃がまだふっきれていない、とかいわれても大丈夫か、確認がしたかったのではないでしょうか。
今回は卒業式後くらいにおわることを麻奈実は読んでいたのでしょう。
このあと京介のとなりにいけば、また今まで通り京介と一緒にいることがいえます。
しかしもし、次またこんなことがあったら?
私はラストのキスで、「なにすんのよ!」と京介が桐乃にいわれ、桐乃がふっきったと思いましたが、もしこのとき「やっとふっきれるとおもったのに」と京介がいわれたり、キスし返されたりしたら、まだ桐乃がふっ切っていないと判断し、また恋人をやろうと京介はするでしょう。
こういうことをしないこと確信するため、恋人状態の二人から京介を奪わないといけなかったのだと思います。
一度燃え上がった思いはそう簡単にきえないことを麻奈実も知っているはずですから(麻奈実自身が何年も京介のことをおもっているんだし)
・・・しかし、麻奈実、最終巻以降、どうなったのか。主人公と音信不通になったのか、それとも・・・。考えると何とも悲しいです。
さすがに京介が愛想尽かされても文句言えない。


本日はここまで。

*1:付き合っている最中に、たとえ、別れてもクリスマスは一緒にすごしましょう、なんてことを言っていた可能性もゼロではないですが、振られると思った理由としてすっきりしない

*2:桐乃はあやせが「桐乃が京介が好きなことを説明した」ことを推測するのは不可能です。告白した時、気持ち悪がられる可能性を桐乃は考慮に入れてた(12巻P242&7巻でのやりとりがあったので)。それだとあやせにそのことをいってしまったのか、確認する気は起きないでしょうし、京介が桐乃の前で動揺しなければそのことを察することは不可能。

*3:京介が自発的に桐乃が恋愛的に京介のことを好きだということにきづくとは思えないし