明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。感想

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)



あらすじ。
生まれつきの恐い顔のせいで、学校で浮きまくっている坂本秋月。
彼はある夜、見ず知らずの美少女の事故現場に遭遇し、謎の人物から究極の選択を迫られる……。
『お前の寿命の半分で、彼女の命を救ってやろうか?』
秋月は寿命と引き換えに少女"夢前光"を救った、はずだったのだが……なぜか彼の体は1日おきに光の人格に乗っ取られてしまうというおかしな展開に!
始まってしまった二心同体の交換日記ライフ。イタズラ好きな光の人格は、トンデモな事態や人々を次々に引き寄せ、秋月の低空飛行人生を一変させていく!
しかし、光の過去を知る超絶イケメン君の登場によって、風雲急を告げる大事件へと発展してしまうのだった────。
交換日記の中でしか触れ合うことのできない「ぼっちな俺」と「残念な彼女」の、人格乗っ取られ型青春ストーリー!


設定だけきくと、1/2の恋愛劇(KanonSSの傑作のひとつ*1)を思い出しました。
入れ替わり系、というと古くは転校生からのお約束ですが(なぜかみたことある)、この話の場合、相手は全く見えませんし、元々知り合いでもないので、相手のことが全く分からない。
相手のことをもっとしりたいのに出来ることは交換日記で相手のことをしること、そしてまわりから聞くことでしか、ヒロインがなぜどのような行動をとったのかわからないようになっています。
ヒロインである夢前光視点を一切いれていないので、想像力を働かせるしかない。
こういうもどかしいシチュがすげー私は好きみたいで、最近結構はまっています。
ヒロインがもうとにかくはちゃめちゃでいろいろやらかしてくれるのですが、それが楽しく、でもそれを想像するしかないからせつなく。
読んでいて面白いです。
以下ネタバレ感想。

キャラ別感想。
・夢前光
いや、もうなんていうか夢前光がいいですね。自分が同じ目にあうのはマジでカンベンですが。
夢前光が、ほんとにバカなキャラかどうかってのは少し疑問がありますし、実際は自殺だったんじゃないか、という疑いもまだ消えてないっちゃ消えていないんですが・・・この話の場合、あれが原因でいいんでね、と思います。
シリアスなんだけど、どこかシリアスじゃないのがこの作品の魅力かな、とも思いますし。
あ、もちろん2巻の日記で叫ぶシーンは大好きですが。あれくらいのシリアスくらいがちょうどいいのかな、と思います。




・坂本雪瑚
妹キャラとか、わりと好きなのですが、この作品の妹キャラにはどうも食指がのびず。
まぁ話を進めるための補助的な役割の色が大きすぎるのが残念すぎて、あまりキャラ自体に興味をもてないというか。
兄をストーカーしていろいろやらかす変態キャラってのは割と好みのはずなんですが。
・・・ストーカーしていて、ノート一冊ほぼうめるとかマジすげー。
そして夢前光はほんとなにしたんだ、この妹に。





・香寺美紗貴
「今日の美紗貴はあなたの望んだ香寺美紗貴でしたか?」
このセリフがなんかすごい好きです。
個人的には、美紗貴が坂本秋月の半分が夢前光だとわかったときどう反応するか、興味あったり。
3巻くらいでばらされるのかな?





・雑感。
2巻のラストで選択を迫られるわけですが、その回答を次巻でするのでしょうか。だとしたら3巻で終わりかな、さみしいな、と思いますが、あまりだれるのもなぁ、と思います。
3巻でスパッと終わるといいなぁ、とも確かに思うしねぇ。
気になるのは1巻P153のこのセリフ。
「秋月くん。君はお人よしすぎるよ。先生にはわかる。いつもいつも、君は自分より誰かを優先してる。なんだかそのうち、自分の命まで『はいどーぞ』って言いながら差し出しちゃいそう」

たぶん、夢前光がそれをさせないでしょうが・・・、どうする・・・ってかどうなるんだろうねぇ。
でもお互い、相手が消えるのは耐えられないでしょうね。相手がいなくなって、どっちがつらい思いをするか、だよなぁ。