俺の妹がこんなに可愛いわけがない最終巻感想

やれやれ……俺が長々と語ってきたこの物語にも、そろそろ終わりが見えてきたようだ。まあんなこと言っても、物語ってのはたいがいラスト付近が一番キツいもんで、俺の高校生活最後の数ヶ月は、そりゃもう大変なことになる。まさしくクライマックスってやつだ。そんなの、平穏を愛する俺の人生にはいらねーのにな。けど、まあ、やってみるさ。地に足つけない、嵐のような人生も、なってみりゃあ面白い。手ぇ抜くのはもったいないし――俺が始めた物語には、俺自身がケリを付けるべきだろう。 
 ……ここまで付き合ってくれて、ありがとうな。


以下ネタバレ有り。
さて、最終巻。レビューが阿鼻叫喚になっているところが結構ありますが、個人的におもったことをつらつらと。
ちなみに私は1巻から最終巻まで通して麻奈実派です。最後の巻までよんで、麻奈実派でほんとによかったと思いました。
さて、ひとつ確認したいのですが。



京介って桐乃のことを恋愛的に好きだったのですかね?



いや、何を言っているんだ、ってこっち見ないでください。ここから先は、まぁ麻奈実派のちょっとした妄想として読んでもらえるのもよし、まぁそれは明らかにおかしいだろ、ってのがあったらコメント欄で反応してくださるのもよし。
・・・というかですね。12巻の文章をざっと検証したのですが、京介が、桐乃を「地の文」で「恋愛的に」好きだといってはいないはずです。
ただ、桐乃の恋愛的な好きという気持ちを受け入れただけで。
12巻自体を、『本当に桐乃が恋愛的に好きで、結婚したいと思っている』京介を演じていたとしても話に矛盾は生じないはずです。
#家族愛的にはすげー好きだけど。
ってかそうであると思っているんですよね・・・。
たとえば、P211。地の文では恋愛的に好きとはいっていないです。
P235。「告白成功の当日くらい、夢を見させてくれたっていいのに」とありますが、もしこれが演技でなくて、告白成功したのだとしたら、そうやって夢を見させてくれればいいのに、という意味でとればおかしくないですし、P240の兄妹のガチ恋愛に発展してしまったわけで、というのも妹から兄だけ、そういう気持ちに発展してしまった、という解釈もできます。
P203で思いの丈をぶつけたとありますが、それが本心である必要もなし。やや無理やりかと思いますが、そこまでおかしくないですよね?
まぁこう解釈する理由がもうひとつあって。
もし、本当に桐乃が京介のことを好きで、京介が桐乃のことを好きだった場合。


桐乃が数ヶ月なんて期間限定で満足するとは思えねぇ。


そりゃもう伸ばすに伸ばしそうな気が。エピローグを見る限り、もう普通にちゃんともどりましたしね。
#桐乃が教会でガチでキスして、まだエピローグで恋愛的に京介を好きだった場合、キスを気持ち悪いとは言わないのではないかと。あのエピローグは普通の兄妹にもどりましたよ、なラストだったのではないかと思います。
12巻は「桐乃への家族愛の好きは、自分を好きな人を全員振る位には好きなんだ」という話だったのではないかと思います。で、それをあらすじにも書いてあるとおり、おもいっきりやったと。
で、その回答を桐乃が受け入れて(演技だということを見破った上で)数ヶ月だけね、っていったのではないかと。そういう話だったんじゃないかなと思います。まぁいうなら、8巻のVS黒猫を全員でやりました、的な。





さてそれを踏まえずとも。最後の麻奈実について。まぁここからは↑の解釈と関係なく麻奈実さんかっこいいので。


麻奈実は俺のことを俺よりもよく分かってる。
ああ、わかってるさ。
だからいま、告白したんだよな。大馬鹿野郎め、最高の幼馴染め


さて、この地の文を素直に解釈すれば、麻奈実は京介がどのような行動をするのかわかっています。
つまり、このあと別れる予定だったのをわかっています。
卒業式の状況は、京介が好きな麻奈実にとってかなり有利な状況です。
何しろ全員ちゃんと消えてくれたんだから。
で、あとは桐乃と京介がちゃんと別れてくれた状態で、いつもどおりに幼馴染として付き合えばそれで完璧。まぁ告白してもよし、な状況をあと1日でつくれたのです。で、それをあえて選ばなかった。
まぁこの辺意地もあるんでしょうが。あの状態で、桐乃じゃなくて自分を選んでくれれば嬉しいってのもあるでしょうしね。麻奈実もまた、1巻から比べれば成長したのかなと。
変わらないことを望んだ幼馴染が、黒猫と主人公が付き合ったのを見て、悔しい思いをして。それなのにあと1日待てば超有利なのに、それを選ばず。
そうやって散った麻奈実は私は素直にカッコいいな、と思いました。いろいろなところで腹黒だのなんだのいわれた麻奈実ですが、腹黒なんてとんでもない。腹黒だったら意地があっても1日まつよ。
#ほかのヒロインはこの結末・・・というか期間限定の恋人だって話をわかっていたかは検証が必要かと思いますが。
#あと桐乃ちゃんさえいなければ全部うまくいってたんだよ、なセリフでうわぁ、とはなりません。そのくらいいって当然。このセリフで自分の欲望のためだけに普通の兄妹になりなさいっていっていたんだ、と解釈されている方もいましたが、そもそも昔は普通に二人のことを思って「普通の兄妹になりなさい」って言っていたと思いますよ。そうじゃないと11巻の地の文がおかしくなる(はず)<ちょっといま手元にない(11巻)
まぁそんなわけで本当に最終巻は楽しめました、と。10点満点で10点は上げられずに、8点。
まぁ8巻の焼き直しですし、8巻ラストが本当に綺麗だったので。



あと最後に、どーでもいいですが。
私は最後の展開は黒猫EDで、黒猫が死にかけると思っていました。
理由は、俺妹アニメ1巻の特典小説の可奈子ED後の話で黒猫が出てこなかったため。
#いつだって、会えるのだ、のところに黒猫がいない。
黒猫が出てこない理由は、最終巻で事故にあって、死にかけるけど、黒猫EDにようやく到達したので、理想の世界にたどりついたのに、死ねるか、となんとか精神力をもたせて復活するんじゃないかな、と>黒猫EDだと。で、ほかのEDだと死んでしまうんじゃないかな、と思っていました。
しかし、あの小説なんで、黒猫だけ描写がないのですかね?単に叙述トリックだけのために黒猫をださなかっただけかねぇ。それはそれでさみしんだけど。
あと、ぶっちゃけ、麻奈実EDも期待していました。
11巻で3年前好きだった奴がいる、と明らかになったときは麻奈実と付き合い出すんじゃないかな、と妄想させてくれてもいいじゃない(苦笑
まぁそんなわけで黒猫EDが本命で、対抗が麻奈実EDな感じで最終巻の発売をまっていました。まさかの桐乃EDでびっくりしましたが。
まぁこれはこれでよかったのではないかと。
あとですが。
黒猫EDでも実は一つだけ不満点がありました。それは麻奈実の呪いの通りになったから。
どういうことかといいますと。
桐乃が京介に告白できなかった一番の理由は麻奈実だと思います。麻奈実が兄妹の恋愛なんて気持ち悪いっていったから。どこか忘れましたが、あやせが麻奈実のいうことに逆らえないみたいな描写がありました。まぁ麻奈実というキャラはなんか自然とお姉さんなポジに収まって、思考を左右できちゃう人なんじゃないかな、と。
で、桐乃の気持ちをしったあと、(3年もあれば)京介に「兄妹の恋愛なんて気持ち悪いよね」って思わせることなんて容易なこと。
#ってか実際ダメですし>兄妹の恋愛
だから黒猫EDでも麻奈実の呪いがとけていないとかそんな気持ち悪い感じがやや残る感じだったのでそこが不満といえば不満だよなぁ、と思っていました。
#個人的には兄妹の恋愛モノは好きですが、この作品はそういうんじゃないからね。
まぁその点については解決できたな、と。
まぁ恋人にもなれず、妹とガチ恋愛したら、麻奈実がマジギレするのはしょうがない。腹バンはふいたけど、まぁそのくらいやっても(苦笑


最後に。
本当に面白かったです、俺妹。